月・水・金はスイミング

ツイッターでもちょこっとだけ触れたけど、何度でも言うよ。
素晴らしい作品でした。

ネタバレがありますので、詳細はリンクからどうぞ。


今週発売のジャンプ(10号)に掲載された「サムライうさぎ」の福島鉄平先生の読み切りで、卒業間近の中学生のお話。
ほとんど接点のない二人が、ほんのちょっとだけ会話して、ほんのちょっとだけ距離が近くなる、ただそれだけ。
そんな小さな小さな世界のお話ですが、その世界の空気や演出がとても丁寧に描かれていて、正直『ジャンプらしくない』(=福島先生らしい)作品。
多分10代の人たちより20代、30代の人たちに受ける話じゃないかな。


個人的に特に素晴らしいと感じたのは、「こんなに疲れたのは初めて」からの縦長のコマからの流れ。
読み手にダイレクトに伝わってくる二人の今の距離感と、スイミングスクールを辞めるマドカさんから離れていくことを印象づけるオサムくんの影の効果線、そして普段通りのマドカさん。
そんな二人にとっていつも通りのワンシーンから、オサムくんが自らの意志で振り返り、マドカさんを呼び止める。
それまで積み重ねてきた淡い恋心を抱いていた日々から、二人の物語が急速に動き出すことを予感させるほどに力強いシーンでした。


中学生くらいの年齢って、ちょっとしたことでも異性をに話しかけるのって凄く勇気の要ることだと思うんですよ。
それが気になる人にならなおさら。
そんな相手から「高校でも仲良くしようね」なんて言われた日にはもう!(何
マドカさんは何気なしに言ったんだろうけど、オサムくんにしてみれば多幸感に包まれながら『俺のこと好きなんじゃ』と思いこんでしまうんじゃないでしょうかw


まぁそんなこんなで柔らかな空気が流れる、心の清涼剤とも言うべき素晴らしい作品なわけですよ。
福島先生はこういった作品を集めた短編集を出すべき。
というかジャンプじゃなくてアフタヌーンに移籍してくださいマジで。


何度でも言うよ。
サムライうさぎをバトル路線へ梃子入れしたあげく打ち切ったジャンプの編集は絶対に許さない。