若くない人間の国語力離れ

普段はマンガばかり読んでいる僕ですが、活字や小説が嫌い、というわけではありません。文庫を買うこともありますし、好きな作家さんなら発売日にハードカバーで購入することもあります。が、マンガと比べると、小説の購入量は微々たるものでしかありません。

じゃあなぜ小説を読まないのか。
それは偏に、僕が小説を読むのが下手だからです。

ここで言う上手い下手はいわゆる『行間を読み取る力』や『読む速度』ではなく(僕は多分それらもあんまり上手い方ではないですが)、『文章から情景をイメージすること』です。例えば、ミステリーを読んでいて、妙齢の警察やら犯人やらが登場したとして、その人物をイメージするときにTVショウに出ている役者さんやらゲームのキャラクターやらを思い浮かべるでしょう。頭の中でまったくの0から人物を作り上げるのって、凄く難しいことですから。で、自分の場合そうやって思い浮かべたキャラクターって、役者さんなら演技の癖だったり、別作品のキャラクターなら性格だったりとノイズが混じるのです。原作者が思い描いて作り上げた物語を、100%で受け入れることが出来ない。それが凄く嫌い。自分の想像力のなさが嫌い。なので、小説は敬遠しがちなのです。

じゃあ小説とマンガの不可視境界線上に存在するラノベを読めばいいじゃない、という意見もあるかと思いますが、ラノベって主人公がクソつまんないことを無駄にダラダラと喋り倒すだけって感じるので好きじゃないのです。日常シーンの描写はキャラクターを深めるのに重要だとは思いますが、物語に何の関係もないノイズが多いのはちょっとね、っていう。それに関連して、地の文が少なめで登場人物たちの会話形式で綴られているのが多いのなんだかなぁ、って感じです。これは小説じゃなくてエロゲのバックログですか? って言いたくなるようなのは食傷なのです。

そんなこんなで作者の描く世界をダイレクトで感じられるマンガの方が好き。というお話でした。

ちなみに、マンガと小説は書籍という媒体であるがためによく比較対象に挙げられますが、個人的にはそれこそ次元が異なるものだと思っています。音楽と絵画が比較できないみたいに。自分の場合は、娯楽作品として楽しむのなら、マンガの方が性に合っている、それだけです。